【ドイツ】生ごみ分別の理想と現実

ドイツの町を歩いていると、どこの住宅にもある、ごみの回収ボックス。可燃ごみやプラスチックごみの回収ボックスのほかに、生ごみ用の回収ボックスも目につきます。

「すごい!みんなキッチンの生ごみをきちんと分別して捨てているんだ」と思われるかもしれません。

しかし、残念なことに、現実は少し違うようです。実際に、生ごみの回収ボックスを開けてみると、どうなっているのでしょうか。

 

ドイツの生ごみ分別事情

生ごみの回収ボックスは空っぽ⁈

生ごみ用の回収ボックスの中を覗いてみると、空っぽです。

なぜでしょうか。それは、キッチンの生ごみの大部分が分別されることなく、ほかのごみと一緒に捨てられているからです。

環境保護の意識の高いドイツなのに、一般ごみと一緒に捨てられている生ごみは、一般ごみの全体の約40%を占めています。

 

生ごみを燃やすために余分な燃料を使う現実

一般ごみに生ごみが混ざったまま回収されると、どんなようなことが問題になるのでしょうか。

生ごみが一般ごみと一緒に回収されると、生ごみは一般ごみと一緒に焼却処理されてしまいます。しかし、成分の80%が水分と言われる生ごみが混ざっているため、一般ごみを燃やすために、余計にたくさんの燃料がいるのです。

 

二重の”もったいない“

分別されたゴミは、「バイオマス」や「肥料」として資源活用できます。

エネルギー資源となるので、生ごみが一般ごみとして回収されてしまうのは、とてももったいないのです。

また、燃料になるはずの生ごみを、余計な燃料を使って燃やしていたのでは、私たちの環境にとって、二重にもったいないことです。

 

生ごみ分別が大変な3つの理由

では、どうして生ごみは、生ごみとして分別されていないのでしょうか。どうして私たちは、生ごみを分別することが面倒に思えるのでしょうか。

私たちは、生ごみが"生ごみ"として回収される回収率の低さには、3つの問題があると考えています。生ごみを分別して、生ごみを生ごみの回収ボックスに捨てるまでには、沢山の苦労やトラブルがあるのではないでしょうか。

 

問題その① 生ごみ分別の大変さ

平日は、仕事と家庭を両立させるため、いつも時間に追われています。なんとかご飯の支度をして家族と一緒に晩御飯を食べ終われば、その後は、後片付けが待っています。

食器を洗うだけでなく、調理のために出た野菜や果物の皮などの生ごみに、さらに子供の食べ残しの片付けもあります。

へとへとになっている体に鞭を打って、生ごみの分別を考えながら後片付けをするなんて、とても大変です。そのため、ついごみを分別しないで、生ごみを一般ごみに捨ててしまうのではないでしょうか。

 

問題その② 生ごみを捨てるためだけに回収ボックスに行くしんどさ

もし一戸建てのお家や、マンションの一階に住んでいるなら、回収ボックスまではそれほど遠くないでしょう。しかし、高層マンションや、エレベーターのないマンションに住んでいたら、生ゴミを捨てるためだけに、地上まで降りるなんて、とてもしんどいように思います。

その日のうちに生ごみを捨てに行かないで、生ごみをキッチンにある生ゴミの保管容器に入れておき、次の日に生ごみを捨てに行くこともできます。しかし、生ごみを保管容器に入れておくと、夜の間に生ごみから水分が出て、保管容器に不快な水分が溜まってしまいます。

しかも、生ごみを長時間、保管容器に入れておくと不衛生なだけでなく、生ごみから匂いが出てきます。また、保管容器を洗わなくてはならないという手間もあります。

保管容器を使わずにビニール袋に生ごみを入れて捨てれば、生ごみから水分が漏れず、匂いも気にならないかもしれません。しかしドイツでは、生分解性のビニール袋でさえ、生ごみ出し用として使うことを禁止しています。

自治体によっては、ビニール袋が混在している生ごみの回収ボックスは回収しないこともありますし、罰金を課すという厳しい処分をしている自治体もあります。

 

問題その③ 紙袋で生ごみを捨てると破れてしまうことも

生ごみを、紙袋や新聞紙などの紙に包んで捨てることもできます。しかし、生ごみの水分と重みで紙袋の底が破けてしまい、生ごみが廊下に散乱してしまった、なんていう経験をされた方はいないでしょうか。

このように生ごみの捨て方を見てくると、「生ごみを分別して、専用の回収ボックスに捨てる」ということが、決して楽でないことが、お分かりいただけたでしょう。忙しい毎日を送っている私たちにとって、生ごみの分別と処理は、労力と苦労をともなう作業なのです。

 

Island land社の生ごみ減量乾燥機で生活にゆとりを

生ごみの分別と処理には行政だけでなく、個人にも大きな負担がかかります。その事に気づいたことが、私たち“Espuente”が、日本の生ごみ乾燥機の先駆者である、Island land社の生ごみ減量乾燥機を、ドイツを初めとし欧州に紹介することになった大きな動機です。

ドイツを含む欧州圏内に住んでいる方にとって生ごみ処理がもう少し簡単になり、そして楽しく生ごみと関わりながら、循環型社会に少しでも貢献したいという思いから、Island land社の生ごみ減量乾燥機をおすすめします。

本製品のスイッチを入れた翌朝、乾燥した生ごみを見つけたときの皆さんの驚く顔や喜ぶ顔を思い浮かべながら、生ごみ処理という、小さいながらも手間のかかる家事の負担を軽減するお手伝いしていきたいと考えています。

 

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